2013/02/11

2/11 温故知新Prj3 SEIKO Excelineを修理してみた

母親の使用中であったSEIKO Exceline。 1989年頃のものである。
電池交換に出したものの、止まってしまうという事で返送されてきた。
母親から徐々に遅れて止まってしまうという事は聞いてはいたが、そのような止まり方もおかしい。
詳しく見てみることにする。
たいていの電池交換は自分でやってしまうが、動かない時計を動かそうというのは小学校以来である。何でもバラスのが好きだったので、壊れた腕時計を親からもらったのだ。
工具は彫刻刀と肥後の守。資料は百科事典のみである。というより一般家庭にはこれ位しか使えるものがなかったのである。
さて、色々検討の結果、アンクルの爪が一本無くなっているのを確認した。といってアンクルを作るわけにもいかない。そこで、半田があったので親が押絵に使っていた小さなコテでそれを溶かし、アンクルの先にヒョイと爪を作ったのだ。やっつけではあったが、腕時計は見事に復活し時を刻み始めた。
我ながら鼻高々であり、親もまさかと驚愕の面持ちではあったが、哀れ、一か月後には半田が折れてしまいガラクタに逆戻りと相成ったのであった・・・。


裏ぶたを外してみる事にする。
裏ぶたはこじるだけのようだが、傷がひどい。本体、タブ両方に無数の傷が付いている。まるで素人仕事である。精密ドライバででもこじったのだろうか。
パッキンも劣化してぼろぼろである。 まあ普通、電池交換でパッキンも交換してくれる時計屋も無いだろうが。
コイルにも傷は無く、電池も問題なさそうなので、一旦蓋を戻し、竜頭を回転させてみる。
拡大鏡で見てみると、長針は20秒に1回程度動いている。しかし、長針を良く見ると0.2mm程の白いカビのようなものが数粒付いている。ふと思いついて、母親に電話で確認してみると、やはり風呂に浸かってはいないが、シャワーがかかってしまったようだ。中に水分が入ってしまったために長針が斑点状に錆びてしまったのだ。
針は約半日で止まってしまった。
錆によって負荷が上がってしまっているのかもしれない。

とりあえず、動かし続けるべく電池を注文する。ついでにパッキンも注文する。メール便で送ってくれるし、SMBCからなら振込もタダである。注文先は「時計材料店」でググればすぐに判る。
ただし、注文はお薦めだが、
修理自体はお薦めではない。

3日ほどで電池が着いたので、電池を交換する。アタリを取るべく短針を一回りさせて、様子を見ることにする。どうも5:20頃になると止まる事が多いような気がする。


数日様子を見るも改善は見られない。
OHなしで放ったらかしのクオーツとしては限界寿命かも知れない。若きサラリーマン時代に両親に贈ったペアウォッチである。引導を渡すなら自分の手でと、禁断の潤滑剤を使用する事にした。針先に一滴とり、中心のギアに落とす。
すかさずティッシュで余分なものを吸い取る。
再び、数日のテストはクリアした。パッキンにシリコングリスを薄付けし、裏ぶたを嵌めこむ。
その後、時計は遅れる事もなく動き続けているようである。





結局、修理とも言えるようなものでもなかったが、まあ暫くは動いてくれるだろう。
が、家にはもう2台修理すべき時計が残っている。SEIKOダイバーとロードマチックである。
ダイバーはかなりバラしたが、竜頭を抜いたのが敗因であった。スイッチか何かがうまく入らなくなってしまったのだ。時計というのはなかなか奥が深く、蒐集だけでなく、修理も趣味として成り立つような気がしてきたのであった。

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