2013/01/31

1/31 温故知新prj2 ジャノメ メモリアを修理してみた


これは1980年頃に購入したミシンである。
母親が長らく使用していたが、年末に突然ガクッといったまま動かなくなってしまったらしい。
糸が絡んでいたので取ったようなのだが、びくともしない。

オイルもないので持ち帰ることにする。
*(CRC・オイルの使用方法には諸説ある。その使用に関しては完全に自己責任で行っている事を留意されたい。DIYは生活・社会を理解するための試行の繰り返しである。TRIALに自己責任を取れぬなら自らは何も行うべきではない。)

重い。
フレーム構造がほとんどアルミダイキャストである。
駆動部分もまさしくマシンと呼ぶにふさわしい。

さて、全体に構造を見てみる。
特に不具合は目視出来ない。
手動で強引に動かしてみるが、ある範囲内でしか動かない。
どうも上下運動の死点で止まっているようだ。

とりあえずは、困った時のCRCである。
内科医であれば抗生物質、皮膚科医であればステロイドといったところか。
CRCも評判が悪いが要は使いようである。
これで数時間ようすを見る。


数時間後、潤滑油がしみ込むのをイメージしながらハンドルを廻し戻すを繰り返す。
そのうちに、じわりと範囲が広がる。

CRCを追加して再び廻し戻す。
突然手ごたえが無くなり回転する。
再度CRCを追加して、モーター駆動にする。
全く問題なく動くようになった。

試しにフットコントローラ+電源コード入れをジャージで作ってみる。
ニットステッチを使用して・・・と思ったのだが、何せ水平釜なるものを使った事がない。
ボビンケースが必要なさそうなのは解るのだが、そのまま放り込んでも糸が絡まるだけである。
まあ手を抜かずにネットで調べることにする。
と、なんとも、ジャノメのサイトからMEMORIA5001のマニュアルがダウンロードできるではないか。
コピー原稿からPDFに加工したようだが、これまた風情があってよろしい。
購入者に対する真摯な姿勢が感じられる。

本格的なテストは後にして、例のごとくプラスティックの漂白を行う。
左写真はフリーアーム横の小物入れ兼用の可動ベッド部である。
小物入れ部だけがプラスティックとなっている。
ただの蓋だが構造強度は十分である。





訳のわからぬ金属板がビスに接続されている。







プラスティック板内部に金属板が差し込まれていた。
小物入れ横に電気回路基板があるところから、
どうやらシールド機能を持たせているようだ。












保管ケースも黄ばんでいた事から、漂白する事にした。
大型ポリ袋にケースを収め、スプレーでハイターを振りかける。ポリ袋は密閉し、日向に3日放置する。その間、まんべんなく太陽が当たるように移動し、ときどきスプレーを繰り返す。
ロゴ部分は木工用ボンドを塗り、マスキングとする。
プラスティックの漂白に関しては
黄ばんだプラスティックを漂白してみた
を参照されたい。

黄ばみもほぼとれた。
元の色が判らないので、この程度に止める。
もっと放置すれば、もっと白くなるかもしれないが、強度的に不安な事もある。



仕上げに手元照明のランプを購入、冷蔵庫用15W 110vである。
ミシン油を主要部分にさして終了。
本格的なテストに移る。





MEMORIA5001は日本初のコンピュータミシン。5002は翌年発売のその改良版である。
変更点は、自動糸通し、上部小物入れ内部の説明文等。
改良が早い事から、コンピュータ関連の手直しがあったのだろう。
今でこそ、OSに何回もサービスパック(パッチ)を当てるのは当たり前だが、何せ時代が違いすぎる。
<やはり、造りは質実剛健である。欧米に打って出るという気概が感じられる。
値段は当時で188,000、50ccバイク2台分くらいであった。

2013/01/10

1/11 温故知新prj 1 MK布団乾燥機を修理してみた

これは1979年頃に購入した布団乾燥機である。
特に故障もなく使用していたが、5年ほど前からタイマが効かなくなり、この冬にとうとう電源が入らなくなってしまった。
30年余り使用したのだからと粗大ごみに出すことにした。

最期のお務めもままならなかったかと若干、購入当時の事を思い出しながら表面を拭ってみたが、質感は当時と変わっていないような気がする。
ふと思いついて、金属ゴミに分別しようと分解することにした。




と、送風モータを見て愕然とする。
なんと積層鋼板まるだしである。
部品一つ一つが”ちょっとやそっとで壊れるものか”と主張するがごとく・・である。

加熱部分も鉄板構造ねじ止めである。

プラスティックにグロメット ぱっちんぱっちんてな代物ではない。


これは直さねばなるまい。


電源部分を見てみると、直すと言ってもタイマのモータの部材(写真の白い軸)が劣化して脱落しているだけであった。

例のごとくプラリペアで修復する。

タイマが作動するかどうかはどうでも良かったのだが、一応歯車に紙の秒針のようなものをくっつけ電源を入れてみた。

10分ほど放置すると確かに歯車は回転している。
プラリペアの硬化を待って操作部を組み上げる。

長年の垢というか埃をきれいに取り除き、
ついでに磨き上げる。

付属品の蛇腹とエアマット部。
30年も経つと蛇腹のプラが劣化しそうなものだが何の不具合もない。
マットも終端にジッパ、中央はスナップ止めの為、簡単に裏返して洗濯できる。
実に良く考えられている。

ダイソンのクリーナヘッド部にも、蛇腹状の部分があるが、これは使用10年にして破れてしまった。仕方がないのでスーパーXで補修している。


確かこういう部分にはフィルターが存在した方良い気がしたためそれなりのものをつけてみた。
これは洗面所の排水口のゴミトラップを薄く切ったものである。
キャンドゥにて¥105なり。








現在、布団乾燥機は絶好調で動作している。やはり昔のものは分解してみると日本人技術者の心意気が感じられるものが多いような気がする。
ふと、その後、実家のために買って帰ったNIES(東南アジア)の扇風機が新品でありながら首を振る機構がつぶれており、恥ずかしく情けない思いをした事を思い出した。
あの頃からおかしくなりだしたのだろう。

最近、法人税が下がらなければアジアに行くしかないとかいう”経営者”の話を良く聞く。
御本人が行くのであろうか?

・・・恥知らずな話である。